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宇野語録(蘭鋳花傳より)1 2005/02/06/20:54:05 No.24  
ふんぺい  
皆さん、こんばんは。
レグさん仕事速いですね!びっくりしました。

早速スレ立てます。(^^;

皆さんご存知の方もおいでになると思うのですが、緑書房より「蘭鋳花傳」平成5年発行(ISBN4−89531−631−9)4500円 という書物が刊行されています。これは昭和40〜50年頃らんちゅう界の新進気鋭のらんちゅう師、大御所など蒼々たるメンバーが貴重な時代の証言者として登場する第一級の資料です。その中で特に宇野先生の考え方、見方に触れることが出来る良い資料なので項目別に整理して皆さんに見ていただきたいと思います。宇野系の真髄をある程度理解できるのではないでしょうか。※興味のある方は是非お読みください。前後の文脈もご覧になったほうがより理解しやすいです。

【頭について】
1.私は獅子頭は、ほんとにやかましくいうてるんです。獅子頭ランチュウの会だから、こんな子持ってきたら出さんいうたるんです。 32P

2.これ(兜巾)がはやらなくなったのは、三歳にならないと一人前の顔にならない。全部なるかというとそうじゃない。三分の一ぐらいならんのがある。 39P

3.兜巾のいいところは背くだりが深いのと尾形がよろしいわね。 40P

4. (竜頭は)幅のある、頭の平たい、目さきのある・・・・。兜巾というのはご存知のように頭がうつむいてつくんです。まっすぐ出ない。骨のつきかたから、したからしゃくっているでしょう。213

5. 竜頭で、いやみを見せずに、それがいちばんだと思うんですが。  217P

【長く楽しむということ】
1.長沢氏 体が小さくても、味のある、本当にいい魚でなけりゃいけない。七年も八年も長く楽しむべきであるという説を、皆さん唱えておいでになる。 40P

【胴作りについて】
1.長いというのはランチュウじゃない。それだから、長い金魚長い金魚といくので、丸い金魚にいくように、宇野さん審査してもらわんとランチュウは駄目になりますよと私、いわれている。松井先生がいうてるんだ。 44P

2鈴木さんは玉子がいいと。金魚のちょっと裾のほうに、少し腰の辺に重点を置いたほうがいいと。 45P

3. いちばんなには背中が高くなることですね。おんなじきれいに見えとっても、たての幅が広いのはいかんですよ。頭の付け根が高い金魚は。高い金魚に限って背下りが深うないと泳げんもんです。 79P

4.(宇野氏の元魚というわれる鈴木徳治氏の金魚について) 角頭で、あまり腹の張るほうでない。昔の金魚は兜巾やから胸より腹がいくらか張ってますわね。鈴木さんの金魚は胸から腹なりがスーとしている、あれは芋金魚と悪口いう人もありましたがね、芋じゃないです、背中にあんないやな肉ついていませんからね。215P

5. 寺崎氏 ランチュウというのは、背が高くなろうとするわけですか。
そう、背びれが大きなってくるんです。それを肉がつつもうとしよるの。224P

6. 上に平たみのあるのね。横にして背が低いのはいいわけですね。それだけ背下りが深う入るのですが、それが急に出来ませんわ。
寺崎氏 背を押さえたというと背おくれの甘いのが多いですが、深くないと駄目ですね。224P

【小判に尾ひれ】
1.山崎氏 今の大小の話ですけれども、先々代の石川が「小判に尾ひれ」ということをいっている。これが端的にいえば理想の型でしょう。  45P

2.小竹氏 長手長手といって、長手ばかりを好むようにいっているけれども、昔から小判型というのが本当ですよ。だいたいランチュそのものを丸っこというのは小判型を標準としているので…・  45P

【色について】
1.赤っぽいのを健康色とぼくらはいうんですよ。赤筋というのは金魚の本筋ですよ。それからぶち筋といってぶちの出るのは、赤の面積が多くても、その色が濃いですよ。それで私ら同じ赤でも、これは赤筋や、これはぶち筋やと…・。 48P

2. 更紗はね、私がいつもいう、切ったようにちらばっている。217P

【キズについて】
1.あまり小さいときのキズをやかましくいわんほうがいいのとちがいますか。いま、黒仔のときのキズが厳重過ぎて、親になってからのキズが、わりに審査でも甘いですからね。 78P

【尾について】
1.それと、尾が大きくなることです。代々小さい尾で採っていってもだんだん、だんだん大きいなるんですわ。 79P

2.私は分の厚い小さい尾が好きです。 82P


ランチュウベビーゴールド 2005/02/08/23:25:18 No.33  
カミカゼ  E-Mail  HOME
>らんちゅう用餌の草分け的存在であるキョーリンの「ランチュウベビーゴールド」をご存知ですか?その袋のらんちゅうの写真、実は寺崎氏の魚なんですよ。日らんで優等の魚だったと聞いています。特徴的な更紗の魚ですが、今の魚筋とは違いますよね。店頭でどうぞ見比べてください。

あれって寺崎さんの魚だったんですかぁ!?
真っ赤真っ白な更紗じゃなかったでしたっけ!?
品評会の景品で貰ったのがあったような気がするから早速見てみます!

そのあたりから徐々に協会とかと魚の楽しみ方などがずれていったんでしょうねぇ。
まぁ協会の発足した時の京都のスタンスは『反観魚会』的なニュアンスもあったようですから(^^;
そういったところからも主流に迎合しなくなっていくのもわかる気もしますね〜。

らんちゅう花伝面白いですけど、ここに抜粋すると前後の文章とかから
行間を読んだりするのが出来ませんから誤解とかもでそうですが、
上手に引用して過去の事実をほじくり出していきたいですね〜。

Re[4]:宇野語録(蘭鋳花傳より)2 2005/02/08/16:20:15 No.30  
ふんぺい  
こんにちは、カミカゼさん。

>らんちゅう花伝面白いですよね〜。

面白いでしょう?何回読んでも目が覚める思いがします。
「あ、そうだ忘れてたなあ、これ。」とか。
紫錦会の高橋さんの章なんか、ブリーダーとしてすごいなって唸ってしまいます。
飼育方法とか今でも十分通用しますよね。

>で、ふんぺいさんのおっしゃる通り別に(当時は)宇野系だけのことではないですね。

そうなんですよね。当時が一番らんちゅう界として輝いていた時代なのかもしれませんね。

>座談会では錦蘭の人達と先生としてお話されていますから。
>どこかで別れていったんでしょうね〜。

カミカゼさんが以前質問なさっていたことについて書きます。
錦蘭会の章で、別所氏や寺崎氏や宇野先生が登場しますが、皆さん当時は同じ土俵で遊んでられてたんですね。ですが、次第に宇野先生の魚に傾倒していったんですね。当時の魚と今の魚とは変わってしまっています。

らんちゅう用餌の草分け的存在であるキョーリンの「ランチュウベビーゴールド」をご存知ですか?その袋のらんちゅうの写真、実は寺崎氏の魚なんですよ。日らんで優等の魚だったと聞いています。特徴的な更紗の魚ですが、今の魚筋とは違いますよね。店頭でどうぞ見比べてください。

>宇野さんがはっきりしない人というかそれぞれの楽しみ方を尊重されたが為に
>宇野系の中でも様々な魚や会があるんでしょうね。

色々あるんですよ。これから魚や愛好会について一緒に勉強していきましょうね。

Re[3]:宇野語録(蘭鋳花傳より)2 2005/02/07/16:11:47 No.29  
カミカゼ  E-Mail  HOME
らんちゅう花伝面白いですよね〜。
一部はどこかの会報にも転載されていましたよ(著作権は大丈夫かな?)

>レグさん
良ければレンタルしましょうか?
買って読む方が良いと思える本ですが高いですからね(^^;

で、ふんぺいさんのおっしゃる通り別に(当時は)宇野系だけのことではないですね。
座談会では錦蘭の人達と先生としてお話されていますから。
どこかで別れていったんでしょうね〜。
宇野さんがはっきりしない人というかそれぞれの楽しみ方を尊重されたが為に
宇野系の中でも様々な魚や会があるんでしょうね。

協会から離れたのはまたそれなりに理由があるんでしょうが。

Re[2]:宇野語録(蘭鋳花傳より)2 2005/02/07/15:42:18 No.28  
ふんぺい  
こんにちは、レグさん。

>断片的ですが、こうやって読んでみると、
>『らんちゅうという美しい生き物を健康に育て長く楽しむ。そして、そういう考えを大切にしながらも、より美しい魚を作出していきたい。』ということが根底にあるようですね。

仰るとおりです。

>その美しさの基準には、宇野さん個人の感性に基づくものもあるのでしょうね。

そうですね。宇野先生は陶芸家だったので造形物というものに特にこだわりをもって美というものを追究されたんだと思います。

>そして、その美しさの基準が、時が流れと共に、様々な流派で、それぞれの解釈とそれぞれの味付けによって言い伝えられ、血統(魚)とともに受け継がれてきた。その結果が今日の多様な宇野系の表現を産み出している。

そうなんですよ!伝統と伝承、つまり宇野系は「理念」として愛好家に受け継がれているのだと思います。その「理念」に共感するかしないかだと思うんです。決して強要はしていませんし、宇野先生が仰ることの中に、自分流というのがあるようにそれぞれでいいんです。

>これから、『いろんな宇野系を見るための知識を深め、目を養う。』という、入口のところの考え方として、こういう考え方もありなんでしょうか? >>> ふんぺいさん

私は是非参考にしていただきたいです。本当は宇野系なんて狭い範囲のことを仰っているのではないんですけどね。

Re:宇野語録(蘭鋳花傳より)2 2005/02/06/23:30:28 No.26  
レグ(管理人)  E-Mail  HOME
ありがとうございました。
なるほど、貴重な資料ですね。機会あれば私も一度じっくり読んでみたいと思います。

断片的ですが、こうやって読んでみると、
『らんちゅうという美しい生き物を健康に育て長く楽しむ。そして、そういう考えを大切にしながらも、より美しい魚を作出していきたい。』ということが根底にあるようですね。

その美しさの基準には、宇野さん個人の感性に基づくものもあるのでしょうね。

そして、その美しさの基準が、時が流れと共に、様々な流派で、それぞれの解釈とそれぞれの味付けによって言い伝えられ、血統(魚)とともに受け継がれてきた。その結果が今日の多様な宇野系の表現を産み出している。

と、まとめてしまって良かったのかな? (^^;)

これから、『いろんな宇野系を見るための知識を深め、目を養う。』という、入口のところの考え方として、こういう考え方もありなんでしょうか? >>> ふんぺいさん

宇野語録(蘭鋳花傳より)2 2005/02/06/20:54:53 No.25  
ふんぺい  
続きです。

【美しさということ】
1.ただ、美しいというか、可愛らしいことはどうしたって原則ですね。きたないのはいけませんよ。見てきれいじゃないとねえ。そして、やっぱりそれが落ちんと長くもったほうがよろしいな。また小さいもんより大きいもんがよろしいし、むりに肥満児にしたのはいけませんよ。肥満児を太いという先生方もありますけど、それぐらい見分けてもらわなア。
85P

【らんちゅうとは?】
1.生きた芸術品どころやありませんよ、歴史がいるんやから。歴史がなかったら出来んもんやから。石に描いてある絵は、またあれより立派な絵は、天才が出たらすぐにでも描けますが、ランチュウはそうはいきません。人間の一生では出来ないですから。218P

2.ランチュウというのは金魚の中で傑出して変わっているんですから、その中からまた変わったものを出さなきゃだめですよ。222P

3. やっぱり初心に返らないかんでしょう。女の人でも、子供でも、ええ金魚はよう知ってますよ、可愛らしい金魚はええといいますもん。あの美しさを見るのを忘れたらいけませんよ。いま理屈だけで美しさがあるように思っているですけど、ちょっとも美しいことないですよ、見方は初心に返らなあきませんね。 240P

【らんちゅうの楽しみ方】
1.自分流でいいんですよ、こんなもんこそ自由で、憲法にもなんにも書いてないんだから。今はあんまり型にはまりすぎていますよ。楽しみ方が。221P

2.会は一日で金魚は毎日。222P

3. 寺崎氏 いろんな会がありますね、その会事態に個性を持っていかないかん、ということを先生よくいわれますけど。228P

【系統について】
1.明治から今まで百年でしょう。明治四年から金魚の会は出来ておりますね。一代雑種で掛け合わせしてあるのやから、めちゃめちゃですよ、金魚の筋は。もう少し整理して、秩序だてて、苦労するにしても押していかなうそや思いますよ。226P

2. 今の金魚を、もう少し丸手に変えていきたい、三歳で丸手になるようにね。
色をもう少しはっきり、この筋からこんなんがどのくらい出るということをはっきりすることもうちょっと古水でゆっくり飼う工夫せんと241P


【選別について】
1.全体的に見て金魚の良し悪しを決めないといけませんな、二匹や三匹ではいけませんな。今選別がこまかくて、早すぎるのとちがいますか。えらがはやるせいで、早よすかそうと思われるのかどうか知りませんが、やっぱり大きくすることが主になってるでしょ。捨てておられる金魚にええのがおるに決まってます。231P

2. 今いう背中の押さえとか、先祖返りのキズということを、もうちょっと頭に入れてもらうように、説明をちゃんとつけて宣伝せんといけませんわ。241P

以上、コメントは入れていません。お読みになって分からないことはご質問ください。




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